大学を中退した人は、その後どうなっているのか

集団の比較 出典 2件 / 統計 7件

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大学を中退した人のその後について、国の労働統計はほとんど何も教えてくれません。労働に関する調査には「中退」を尋ねる項目がほとんど無く、中退した人を卒業した人と区別して数えていないからです。

例外が、厚生労働省の21世紀成年者縦断調査です。この調査には中退の項目があり、労働政策研究・研修機構がそれを学歴別に集計し直した報告書を出しています。このページの「その後」の数字は、すべてこの報告書によります。

ただし、元になった調査は2012年のものです。これより新しい公的な集計は、当サイトでは見つけられませんでした。いまの20代に同じことが当てはまるかは分かりません。そのことを前提に読んでください。

38.6%
大学・大学院を中退した25〜29歳のうち、学校を離れてから一度も正社員になっていない人の割合
卒業した人では17.5%。厚生労働省 21世紀成年者縦断調査(2012年)を労働政策研究・研修機構が集計
この数字の集計対象: 厚生労働省「21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」第1回(2012年)の回答者のうち、 25〜29歳で、最後に在籍した学校が大学・大学院を中退の人(在学中の人を除く)。
別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。

01 10秒で分かる結論

  • 2024年度に大学を中退した人は、学生数の2.00%でした(文部科学省)。1年間の割合なので、在学中の4年間で見るとこれより多くなります。
  • 25〜29歳で比べると、学校を離れてから一度も正社員になっていない人は、大学・大学院の中退者で38.6%、卒業者で17.5%でした。
  • 雇われて働いている25〜29歳のうち非正規の人は、中退者で47.7%、卒業者で22.7%です。
  • 30〜44歳の男性でも差は残り、前年の所得は中退者が349.3万円、卒業者が500.3万円でした。ただし男女計にすると、非正規の割合の差はほとんど見えなくなります。
  • どれも2012年の調査で、学歴ごとに別々の人を比べたものです。中退したことが原因でこうなった、とは言えません。

02 大学を中退する人はどれくらいいるか(2024年度)

文部科学省は毎年、大学などに中退者の数を尋ねています。2024年度に大学を中退した人は、4月1日時点の学生数に対して2.00%でした。

これは1年間に中退した人の割合です。入学した人のうち何割が卒業までに中退するか、という数字ではありません。同じ人を4年間追った統計ではないため、「入学者の何%が中退するか」は、この調査からは分かりません。

学生数に占める中退者の割合(学校種別・令和6年度) 大学 2.00% 短期大学 3.95% 大学院 2.67% 高等専門学校 2.08%
学生数に占める中退者の割合(学校種別・令和6年度)
学校の種類 学生数に占める中退者の割合 備考
大学 2.00% 中退者 50,516人(前年度 2.04%)
短期大学 3.95% 中退者 2,702人(前年度 3.95%)
大学院 2.67% 中退者 7,057人(前年度 2.85%)
高等専門学校 2.08% 中退者 1,166人(前年度 2.09%)
集団の比較 信頼度 B 2024年
集計対象
令和6年度(2024年4月〜2025年3月)に全国の国公私立大学・短期大学・大学院・高等専門学校を中途退学した正規生(回答校分)
出典
学生の中途退学者・休学者数の調査 / 令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について(令和7年8月22日公表)「令和6年度における学校種別中退者数及び中退者割合」
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 1年間に中退した人の割合であり、入学した人のうち卒業までに中退する人の割合ではない。4年間の累計はこれより大きくなる。
  • 学校が回答する調査で、令和6年度の回答率は90.4%。全数ではない。
  • 留学生を含み、通信制課程の在籍者は含まない。
  • 博士課程を満期で退学した人は含まない。

03 中退の理由(学校が答えたもの)

同じ調査では、中退のもっとも中心的な理由を学校が1つ選んでいます。最も多いのは「転学・進路変更等」で、別の大学や専門学校へ移った人も含まれます。

理由は本人ではなく学校が分類したものです。また、短期大学・大学院・高等専門学校を合わせた数字で、大学だけの内訳は公表されていません。

中途退学の理由(大学・短大・大学院・高専の合計・令和6年度) 転学・進路変更等 22.3% 学生生活不適応・修学意欲低下 16.3% 就職・起業等 14.8% 経済的困窮 13.2% 学力不振 7.0% 精神疾患 7.0% 病気・けが・死亡 4.1% 海外留学 0.6% その他 13.6% 不明 1.1%
中途退学の理由(大学・短大・大学院・高専の合計・令和6年度)
中退の理由 割合
転学・進路変更等 22.3%
学生生活不適応・修学意欲低下 16.3%
就職・起業等 14.8%
経済的困窮 13.2%
学力不振 7.0%
精神疾患 7.0%
病気・けが・死亡 4.1%
海外留学 0.6%
その他 13.6%
不明 1.1%
集団の比較 信頼度 B 2024年
集計対象
令和6年度に全国の国公私立大学・短期大学・大学院・高等専門学校を中途退学した正規生61,441人(回答校分)
出典
学生の中途退学者・休学者数の調査 / 令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について(令和7年8月22日公表)「令和6年度における中途退学の理由(単一選択)」
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 大学だけでなく、短期大学・大学院・高等専門学校を合わせた割合。大学だけの内訳は公表資料に無い。
  • 学校が、もっとも中心的な理由を1つ選んだもの。複数の理由が重なっていても1つに分類されている。
  • 「転学・進路変更等」には、別の大学へ移った人も含まれる。中退してそのまま学校を離れた人だけではない。
  • 学校が回答する調査で、令和6年度の回答率は90.4%。全数ではない。
  • 留学生を含み、通信制課程の在籍者は含まない。

04 学校を離れてから、最初に正社員になるまで(中退した人)

ここからは、厚生労働省の21世紀成年者縦断調査(2012年)を、労働政策研究・研修機構が学歴別に集計した結果です。25〜29歳に年齢をそろえ、学校を離れてから最初に正社員になったのがいつかを、本人の職歴から整理しています。

大学・大学院を中退した人で、学校を離れて3か月以内に正社員になった人は11.9%でした。最も多いのは、20代後半の時点でまだ一度も正社員になっていない人です。

学校を離れてから最初に正社員になるまでの期間(大学・大学院を中退・25〜29歳) 離学前(在学中から) 1.5% 離学から3か月以内 11.9% 3年以内 15.3% 3年超 4.1% 正社員になった時期が不明 11.4% 正社員になっていない 38.6% 就業形態が不明 7.5% 一度も働いていない 9.7%
学校を離れてから最初に正社員になるまでの期間(大学・大学院を中退・25〜29歳)
最初に正社員になった時期 割合
離学前(在学中から) 1.5%
離学から3か月以内 11.9%
3年以内 15.3%
3年超 4.1%
正社員になった時期が不明 11.4%
正社員になっていない 38.6%
就業形態が不明 7.5%
一度も働いていない 9.7%
集団の比較 信頼度 B 2012年
集計対象
厚生労働省「21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」第1回(2012年)の回答者のうち、 25〜29歳で、最後に在籍した学校が大学・大学院を中退の人(在学中の人を除く)。
出典
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138) / 労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-7① 正社員就業までの期間(25~29歳)2012年調査・男女計
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 2012年の調査で、いまの状況ではない。
  • 本人が学校を離れてからの職歴を振り返って答えたもの。
  • 「正社員」は調査票の「正規の職員・従業員」。
  • 25〜29歳の大学・大学院中退者は412人。男女別にすると女性は101人と少ない。
  • 中退後に別の学校を卒業した人は「卒業者」に数えられている(最後に在籍した学校で分類)。

05 同じ年齢で、大学・大学院を卒業した人

比べる相手として、同じ調査・同じ年齢層の卒業者を並べます。卒業した人の半数以上は、学校を離れて3か月以内に正社員になっていました。

中退した人では、正社員になった人でも、学校を離れてから時間がかかった人が多くなっています。「3年以内」や「3年超」は、中退者のほうが多くなっています。

学校を離れてから最初に正社員になるまでの期間(大学・大学院を卒業・25〜29歳) 離学前(在学中から) 1.1% 離学から3か月以内 56.0% 3年以内 7.0% 3年超 2.0% 正社員になった時期が不明 6.0% 正社員になっていない 17.5% 就業形態が不明 8.0% 一度も働いていない 2.6%
学校を離れてから最初に正社員になるまでの期間(大学・大学院を卒業・25〜29歳)
最初に正社員になった時期 割合
離学前(在学中から) 1.1%
離学から3か月以内 56.0%
3年以内 7.0%
3年超 2.0%
正社員になった時期が不明 6.0%
正社員になっていない 17.5%
就業形態が不明 8.0%
一度も働いていない 2.6%
集団の比較 信頼度 B 2012年
集計対象
厚生労働省「21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」第1回(2012年)の回答者のうち、 25〜29歳で、最後に在籍した学校が大学・大学院を卒業の人(在学中の人を除く)。
出典
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138) / 労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-7① 正社員就業までの期間(25~29歳)2012年調査・男女計
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 2012年の調査で、いまの状況ではない。
  • 本人が学校を離れてからの職歴を振り返って答えたもの。
  • 「正社員」は調査票の「正規の職員・従業員」。
  • 比べる相手として掲載している。大学・大学院中退者の表と同じ調査・同じ年齢層の集計。

06 働いている人のうち、非正規雇用の割合(25〜29歳)

雇われて働いている人に限ると、どの段階の学校でも、中退した人のほうが非正規雇用の割合が高くなっています。

報告書は、卒業者との差が大学・大学院のほうが大きいことに注目しています。高い段階の学校で中退すると、卒業していれば得られたはずの正社員の機会を逃しやすい、という見方です。

働いている人のうち非正規雇用の割合(学歴別・25〜29歳・2012年) 中学卒 52.6% 高校卒 38.9% 専門・短大・高専卒 33.1% 大学・大学院卒 22.7% 高校中退 56.9% 専門・短大・高専中退 57.3% 大学・大学院中退 47.7%
働いている人のうち非正規雇用の割合(学歴別・25〜29歳・2012年)
最後に在籍した学校 非正規雇用の割合
中学卒 52.6%
高校卒 38.9%
専門・短大・高専卒 33.1%
大学・大学院卒 22.7%
高校中退 56.9%
専門・短大・高専中退 57.3%
大学・大学院中退 47.7%
集団の比較 信頼度 B 2012年
集計対象
厚生労働省「21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」第1回(2012年)の回答者のうち、 25〜29歳で雇われて働いている人(自営業・家業・無業を除く)。
出典
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138) / 労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-15① 雇用者中に占める非正規雇用者の比率(2012年調査)25~29歳・男女計
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 2012年の調査で、いまの状況ではない。
  • 分母は雇われて働いている人。働いていない人・自営の人は含まない。
  • 非正規雇用は、アルバイト・パート、派遣社員、契約社員・嘱託、その他。
  • 学歴ごとに別々の人の集計であり、中退したから非正規になった、という因果は示していない。中退する前からの違い(家庭の経済状況、健康、学業への関心など)も含まれる。

07 「中退したから」とは言えない理由

ここまでの表は、卒業した人と中退した人という、別々の人を比べたものです。同じ人が中退した場合と卒業した場合を比べたわけではありません。

中退した人と卒業した人とでは、中退する前から違いがあった可能性があります。家庭の経済状況、健康、学業への関心、入学のしかたなどです。実際、同じ報告書がハローワークに来た中退者に尋ねた調査(複数回答)では、中退の理由として最も多かったのは「勉強に興味・関心が持てなかったから」でした。

したがって、この差のうちどれだけが中退そのものの影響かは、この数字からは分かりません。「中退すると非正規になる」「卒業さえすれば正社員になれる」とは読めません。

08 30〜44歳になったとき(男性)

同じ調査には、2002年に20〜34歳だった人を2012年まで追った、もうひとつの集団があります。10年後、30〜44歳になった時点での状況です。

男性では、大学・大学院を中退した人の非正規雇用の割合は、卒業した人よりはっきり高いままでした。報告書は、高い段階の学校での中退は男性について長く雇用形態に影響していると述べています。

一方で、男女計にすると、中退の影響はほとんど見えなくなるとも書いています。女性は学歴にかかわらず非正規雇用の割合が高く、中退による差が小さいためです。このページで男性の表だけを載せているのは、女性の大学・大学院中退者が少なく、報告書も値を出していないためです。

30〜44歳の男性で働いている人のうち非正規雇用の割合(学歴別・2012年) 中学卒 29.3% 高校卒 12.8% 専門・短大・高専卒 10.7% 大学・大学院卒 10.1% 高校中退 14.9% 専門・短大・高専中退 31.3% 大学・大学院中退 27.7%
30〜44歳の男性で働いている人のうち非正規雇用の割合(学歴別・2012年)
最後に在籍した学校 非正規雇用の割合
中学卒 29.3%
高校卒 12.8%
専門・短大・高専卒 10.7%
大学・大学院卒 10.1%
高校中退 14.9%
専門・短大・高専中退 31.3%
大学・大学院中退 27.7%
集団の比較 信頼度 B 2012年
集計対象
厚生労働省「21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)」の第1回(2002年、20〜34歳)から 第11回(2012年)までの回答をつないだ「履歴データ」のうち、2012年に30〜44歳の男性。 学歴は2003年の第2回調査で把握したもの。
出典
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138) / 労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-29① 雇用者中に占める非正規雇用者の比率(履歴データ)全年齢(30~44歳)・男性
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 2012年の調査で、いまの状況ではない。
  • 同じ人を10年追った調査だが、途中で回答をやめた人は含まれない。報告書によると、中退者は脱落が多く、2003年時点の4割程度しか残っていない。残った人が中退者全体を代表しているとは限らない。
  • 学歴ごとに別々の人を比べたもの。中退したことが原因で差が生まれたとは言えない。
  • 男性だけの値。報告書は、男女計にすると中退の影響はほとんど見えなくなると述べている(女性は学歴にかかわらず非正規の割合が高いため)。
  • 大学・大学院中退の男性は68人と少ない。

09 30〜44歳の男性の前年の所得

同じ30〜44歳の男性で、働いている人の前年の所得です(上下5%を除いた平均)。

大学・大学院を中退した人は、卒業した人より低く、高校を卒業した人も下回っていました。ただしこの集団は、10年のあいだに回答をやめた人が多く、とくに中退者は2003年時点の4割程度しか残っていません。残った人が中退者全体を代表しているとは限りません。

学歴を問わない年齢別の給与は、年齢別の平均年収と給料にあります。ただし調査も年も違うため、この表の金額と直接比べることはできません。

30〜44歳の男性の前年の所得(学歴別・2012年) 中学卒 312.1万円 高校卒 386.4万円 専門・短大・高専卒 389.4万円 大学・大学院卒 500.3万円 高校中退 329.9万円 専門・短大・高専中退 314.7万円 大学・大学院中退 349.3万円
30〜44歳の男性の前年の所得(学歴別・2012年)
最後に在籍した学校 前年の所得(平均)
中学卒 312.1万円
高校卒 386.4万円
専門・短大・高専卒 389.4万円
大学・大学院卒 500.3万円
高校中退 329.9万円
専門・短大・高専中退 314.7万円
大学・大学院中退 349.3万円
集団の比較 信頼度 B 2012年
集計対象
厚生労働省「21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)」の第1回(2002年、20〜34歳)から 第11回(2012年)までの回答をつないだ「履歴データ」のうち、2012年に30〜44歳の男性。 学歴は2003年の第2回調査で把握したもの。 現在働いていて、前年に所得があった人。
出典
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138) / 労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-30① 所得、労働時間、時間当たりの収入(履歴データ)男性
この数値の読み方: 別々の人の集計です。同じ人のその後を追った数値ではありません。年齢・世代・学歴など、属性の違う集団を並べて比較しています。
  • 2012年の調査で、いまの状況ではない。
  • 同じ人を10年追った調査だが、途中で回答をやめた人は含まれない。報告書によると、中退者は脱落が多く、2003年時点の4割程度しか残っていない。残った人が中退者全体を代表しているとは限らない。
  • 学歴ごとに別々の人を比べたもの。中退したことが原因で差が生まれたとは言えない。
  • 働いている人だけの平均で、上下5%を除いている。税込みの勤労所得とその他の所得の合計。
  • 大学・大学院中退の男性は90人と少ない。女性は大学・大学院中退者が少なく、報告書も値を出していない。

10 中退したあと、学び直す人はどれくらいいるか

同じ報告書によると、2003年の時点で中退していた人のうち、2012年までに別の学校に通って卒業した人はごくわずかでした。報告書は「中途退学後に学び直して新たな学歴を得ることは、実際にはあまりない」と書いています。

ただしこれは、10年間回答を続けた人の範囲での話です。また、ここでの「中退者」は最後に在籍した学校で中退した人です。中退したあと別の学校を卒業した人は、最初から「卒業者」に数えられています。

11 この数字で分からないこと

ひとつ目は、いまの状況です。「その後」の数字はすべて2012年の調査です。それから10年以上が経ち、若い人の働き方をめぐる状況は変わっているはずです。いまの20代の中退者に同じ差があるかは、公的な統計では確かめられません。

ふたつ目は、中退の理由ごとのその後です。経済的な理由で中退した人と、別の進路を選んで中退した人とでは、その後が違うはずです。しかし理由別にその後を追った公的な集計は見つけられませんでした。

三つ目は、あなた自身のことです。この数字は、中退した人の平均的な姿です。中退するかどうかを決める材料にはなりますが、中退した後どうなるかを教えてくれるものではありません。

12 よくある質問

大学を中退する人はどれくらいいますか?

文部科学省の調査では、2024年度に大学を中退した人は学生数の2.00%でした。1年間の割合なので、入学した人のうち卒業までに中退する人の割合は、これより大きくなります。

大学を中退する理由で多いのは何ですか?

大学・短期大学・大学院・高等専門学校を合わせた2024年度の集計で、最も多いのは「転学・進路変更等」(22.3%)、次いで「学生生活不適応・修学意欲低下」(16.3%)、「就職・起業等」(14.8%)でした。理由は学校がもっとも中心的なものを1つ選んだものです。

大学を中退しても正社員になれますか?

正社員になった人はいます。ただし2012年の調査では、大学・大学院を中退した25〜29歳のうち、学校を離れてから一度も正社員になっていない人は38.6%で、卒業者の17.5%より多くなっています。正社員になった人でも、学校を離れてから時間がかかった人が多くなっていました。

大学中退の人の年収はどれくらいですか?

30〜44歳の男性で働いている人の前年の所得(上下5%を除いた平均)は、大学・大学院の中退者が349.3万円、卒業者が500.3万円でした。2012年の調査で、中退者は90人と少なく、いまの水準ではありません。女性の値は報告書にありません。

中退したことが原因で収入が低くなるのですか?

この数字からは言えません。卒業した人と中退した人という別々の人を比べたもので、中退する前からの違い(家庭の経済状況、健康、学業への関心など)も含まれているためです。

もっと新しいデータはありますか?

当サイトでは見つけられませんでした。国の主な労働統計は、中退したかどうかを区別して集計していません。文部科学省の中退調査は毎年ありますが、学校が答える調査なので、中退した本人のその後は分かりません。

13 出典

学生数に占める中退者の割合(学校種別・令和6年度)

調査
学生の中途退学者・休学者数の調査(文部科学省)
表番号
令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について(令和7年8月22日公表)「令和6年度における学校種別中退者数及び中退者割合」
信頼度
B(大学等への調査(学校が回答)/全国の国公私立大学・短期大学・大学院・高等専門学校の正規生(令和6年度の回答率90.4%))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年9月
原典
文部科学省の公表ページを開く
データ
CSVでダウンロード(出典の単位のまま・出典と注意書き付き)
調査対象 :全国の国公私立大学、短期大学、大学院及び高等専門学校(回答率90.4%)
対象期間 :令和6年4月1日~令和7年3月31日
学校種 / 学生数に占める中退者数の割合 / 中退者数
大学 2.00% (2.04%) 50,516人
短期大学 3.95% (3.95%) 2,702人
大学院 2.67% (2.85%) 7,057人
高等専門学校 2.08% (2.09%) 1,166人
合計 2.10% (2.17%) 61,441人
※括弧内はR5年度数値
※「学生数に占める中退者数・休学者数の割合」については、本調査結果における令和6年4月1日時点の学生数に対する割合を算出したもの。

中途退学の理由(大学・短大・大学院・高専の合計・令和6年度)

調査
学生の中途退学者・休学者数の調査(文部科学省)
表番号
令和6年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について(令和7年8月22日公表)「令和6年度における中途退学の理由(単一選択)」
件数
61,441
信頼度
B(大学等への調査(学校が回答)/全国の国公私立大学・短期大学・大学院・高等専門学校の正規生(令和6年度の回答率90.4%))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年9月
原典
文部科学省の公表ページを開く
データ
CSVでダウンロード(出典の単位のまま・出典と注意書き付き)
令和6年度における中途退学の理由(単一選択)
転学・進路変更等 22.3% / 学生生活不適応・修学意欲低下 16.3% / 就職・起業等 14.8% / 経済的困窮 13.2% /
学力不振 7.0% / 精神疾患 7.0% / 病気・けが・死亡 4.1% / 海外留学 0.6% / その他 13.6% / 不明 1.1%
○主な中退理由は「転学・進路変更等」「学生生活不適応・修学意欲低下」「就職・起業等」であり、傾向にあまり変化は見られなかった。
※複合的な理由による中退の場合には、もっとも中心的な理由に分類。

30〜44歳の男性の前年の所得(学歴別・2012年)

調査
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138)(労働政策研究・研修機構)
表番号
労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-30① 所得、労働時間、時間当たりの収入(履歴データ)男性
信頼度
B(研究報告書(厚生労働省「21世紀成年者縦断調査」の個票の二次分析を含む)/21世紀成年者縦断調査の対象者(国民生活基礎調査の調査地区から無作為抽出した地区の20〜34歳の男女))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年10月
原典
労働政策研究・研修機構の公表ページを開く
データ
CSVでダウンロード(出典の単位のまま・出典と注意書き付き)
図表1-30 所得、労働時間、時間当たりの収入(履歴データ)①男性
前年の所得(現在有業の者のみ)(万円)(N)
大学・大学院卒 500.3 1,325
大学・大学院中退 349.3 90
注:対象は現在有業の者のみで、上下5%を除く平均値。
前年所得は勤労所得(税込)とその他の所得の合計。前年の所得なしの者を除いて集計した。

まず前年所得であるが、卒業者と中退者の差は、男性の高校レベルで約57万円、
専門・短大・高専レベルで約75万円、大学・大学院レベルでは約121万円と大きい。

働いている人のうち非正規雇用の割合(学歴別・25〜29歳・2012年)

調査
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138)(労働政策研究・研修機構)
表番号
労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-15① 雇用者中に占める非正規雇用者の比率(2012年調査)25~29歳・男女計
件数
4,557 (25〜29歳の雇用者の合計。大学・大学院中退者は266人、大学・大学院卒は3,060人。)
信頼度
B(研究報告書(厚生労働省「21世紀成年者縦断調査」の個票の二次分析を含む)/21世紀成年者縦断調査の対象者(国民生活基礎調査の調査地区から無作為抽出した地区の20〜34歳の男女))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年10月
原典
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データ
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図表1-15 雇用者中に占める非正規雇用者の比率 ①2012年調査
(全年齢(20~29歳) 男性 女性 男女計 / 25~29歳 男性 女性 男女計)
大学・大学院卒 20.5 27.3 23.9 18.3 27.7 22.7
大学・大学院中退 55.2 67.5 58.7 43.2 61.2 47.7
注:非正規雇用は、アルバイト・パート、労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託、その他。
雇用者はこれに正社員を加えたものである。

30〜44歳の男性で働いている人のうち非正規雇用の割合(学歴別・2012年)

調査
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138)(労働政策研究・研修機構)
表番号
労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-29① 雇用者中に占める非正規雇用者の比率(履歴データ)全年齢(30~44歳)・男性
件数
2,974 (30〜44歳の男性の雇用者の合計。大学・大学院中退者は68人、大学・大学院卒は1,105人と、中退者の数は少ない。)
信頼度
B(研究報告書(厚生労働省「21世紀成年者縦断調査」の個票の二次分析を含む)/21世紀成年者縦断調査の対象者(国民生活基礎調査の調査地区から無作為抽出した地区の20〜34歳の男女))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年10月
原典
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データ
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図表1-29 雇用者中に占める非正規雇用者の比率(履歴データ)①全年齢(30~44歳)
(男性 女性 男女計)
大学・大学院卒 10.1 40.8 21.0
大学・大学院中退 27.7 - 33.3
これに対して男性の高等教育レベルでは3倍近い高い数値となっている。
ただし、男女計にすると、中退の影響はほとんど見えなくなっている。

学校を離れてから最初に正社員になるまでの期間(大学・大学院を中退・25〜29歳)

調査
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138)(労働政策研究・研修機構)
表番号
労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-7① 正社員就業までの期間(25~29歳)2012年調査・男女計
件数
412 (労働政策研究・研修機構による二次集計。)
信頼度
B(研究報告書(厚生労働省「21世紀成年者縦断調査」の個票の二次分析を含む)/21世紀成年者縦断調査の対象者(国民生活基礎調査の調査地区から無作為抽出した地区の20〜34歳の男女))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年10月
原典
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データ
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図表1-7 正社員就業までの期間(25~29歳)
離学前 / 離学~3ヶ月以内 / 3年以内 / 3年超 / 正社員時期不明 / 正社員移行なし / 就業形態不明 / 未就業 / 合計 / N
(2012年調査・計)
大学・大学院中退 1.5 11.9 15.3 4.1 11.4 38.6 7.5 9.7 100.0 412

図表1-6にみるとおり、学校中退者では離学直後に正社員として就業している者は大学・大学院中退で10.4%、
高校中退なら3.8%と、ごくわずかであり、卒業者の場合のそれが半数前後であるのと対照的である。

学校を離れてから最初に正社員になるまでの期間(大学・大学院を卒業・25〜29歳)

調査
大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138)(労働政策研究・研修機構)
表番号
労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.138(2015年)第1章 図表1-7① 正社員就業までの期間(25~29歳)2012年調査・男女計
件数
4,057 (労働政策研究・研修機構による二次集計。)
信頼度
B(研究報告書(厚生労働省「21世紀成年者縦断調査」の個票の二次分析を含む)/21世紀成年者縦断調査の対象者(国民生活基礎調査の調査地区から無作為抽出した地区の20〜34歳の男女))
取得日
2026年10月12日
次回確認
2027年10月
原典
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データ
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図表1-7 正社員就業までの期間(25~29歳)
離学前 / 離学~3ヶ月以内 / 3年以内 / 3年超 / 正社員時期不明 / 正社員移行なし / 就業形態不明 / 未就業 / 合計 / N
(2012年調査・計)
大学・大学院卒 1.1 56.0 7.0 2.0 6.0 17.5 8.0 2.6 100.0 4,057

図表1-6にみるとおり、学校中退者では離学直後に正社員として就業している者は大学・大学院中退で10.4%、
高校中退なら3.8%と、ごくわずかであり、卒業者の場合のそれが半数前後であるのと対照的である。

本ページは「学生の中途退学者・休学者数の調査」(文部科学省)を加工して作成しています。

本ページは「大学等中退者の就労と意識に関する研究(JILPT調査シリーズNo.138)」(労働政策研究・研修機構)を加工して作成しています。

このページの最終更新日: 2026年10月12日